未経験の業界に転職したいと考えたとき、どうしてもありがちなのが「他業種の芝生は青く見える」という心理です。一種の転職あるあるのようなもので、転職の未経験者はもちろん、過去に経験がある人でも、他業種の仕事は今の仕事より、待遇や休みの取りやすさなどが恵まれているように見えるものです。

転職は、初対面の人たちの中にひとり入っていくので、社交的な対応が求められます。この社交性は、転職に際してだけでなく、実は現状の職場でも求められているもの。社会人が常日頃から培うべき、仕事のスキルのひとつです。

「他業種の芝生」が本当に青いかどうかは、いろいろな人から話を聞かせてもらう中で、次第に見えてくるものでしょう。いまの職場の人間関係をおろそかにしていては、耳に入ってくる情報が正確とは言えません。隣の芝生の色が何色なのかをしっかり把握できているか、まず自分の置かれている現状を見つめてみることが大切です。

色々な人の話を真摯に聞き、自己の現状を考えてみたうえで、いまの業種より別の業界がいいと判断できたなら、転職活動を始めるのはやぶさかではありません。しっかり腰を据えて活動していけば、また新たな人たちとの出会いがあり、新しい視点や考え方に触れる機会となります。その経験は、次の職場で大いに活かされるでしょう。

社交性を磨けば、隣の芝生の色はより正確に見えてきます。転職を考える際に陥りがちな心理とうまく付き合いながら、よりよい仕事のきっかけにしていきたいものです。